最後のページを閉じるとき

2010-07-27 18:30:27

今月、祖母を見送りました。明治・大正・昭和・平成を生き抜き102歳の天寿を全うした強い明治の女です。もう二度と会えないのはとても残念なことですが、誰一人泣いている者はいませんでした。子も孫もひ孫も、皆そろってあっぱれな彼女の生きざまに拍手喝さい、尽きない思い出に時の経つのも忘れて語り合いました。

戦争で夫を失い、幼い5人の子供を抱えて若い頃は苦労の連続だったと思いますが、好奇心旺盛・負けず嫌いな性格で家業を切り盛りし、祖母を頂点に見事な家族のピラミッドを構築しました。
料理・裁縫・歌舞音曲なんでもこなし、新聞には必ず目を通して知識欲も旺盛でした。祖母から習ったことは多々ありますが、特に歴史・株には明るく、自身の勉強不足を反省することしきりでした。また、交友の広さとどこでもすぐに友達を作れる術には脱帽です。最後の病院では、ほとんど言葉も無く寝た切りの人形のような生活でしたが、お世話してくださった方何人もが「しーちゃん」と祖母に抱きつきオイオイ心から涙を流してくださり、ここでも皆に愛される存在だったんだと知りました。

この歳になりますと、家族や友人、親しい方とお別れする機会も増えますが、別れの寂しさを感じながら、同時にその方の一生に思いを馳せます。
どんな人生だったんだろう、幸せだっただろうか、自分の人生に満足して旅だっただろうか、私にとってどんな存在だったのか……ご本人の思いは知る由も有りませんが、どんな地位・生活状態にあっても、その方らしく生きていらした姿を思い出すと素敵な一生だったんだと思えます。そして私にとって大切な人生の師であり、生き方を学ばせていただいたように思います。

私にも最後のページを閉じるときがいつか訪れます。そのときに、「私が私らしく生きた」ことをみんなが祝福してくれるでしょうか?「自分らしく生きる」って、どういうことでしょう?
私は、それを自分の価値観に沿った生き方ができることと考えます。世間の価値観や他人の評価に頼ることなく、自分が大切にするものを自覚し、一生を通して自己成長・自己実現に前向きに取り組むことでしょうか。

私は、50歳にして自分の価値観、自分が大切にしたいものを自覚しました。それまでもなんとなく感じてはいましたが、人生の「上り坂・下り坂・まさか」にその時々の判断で対応し、深く自分の内を探るということはしていませんでした。キャリア・カウンセラーとの出会いが「私らしさ」とは何かを教えてくれ、それは衝撃的な発見でした。今、私は自己成長・自己実現の道をまい進中です。そして、どの年代の私よりイキイキ生きている実感があります。

何歳で気づいても決して遅いということはありません。あなたがあなたらしく生きるために、「エイジング・アドバイザー®」がきっとお役に立てます。


石田 晃子

石田 晃子 (いしだ てるこ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
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