高齢者支援の現場から

2010-07-19 19:08:46

 新年度の就職支援相談を開始、第一号は63歳男性です。求人数激減の中、はたしてどのような方法で支援し就職するか、腕の見せ所というところでしょうか。団塊世代の再就職、景気との関わりで大変厳しくなっていますが、全く無いわけではありません。一定年齢を超えると、ハローワークで検索してもなかなか思うようにはなりません。求人案件は年齢不問になっていますが決して不問ではないのです。採用を断られる理由に年齢制限は採用側にとって便利な手段だったのですが、現在では雇用機会均等のために求人案件に不問とするよう制限を加えられているのです。
 ただ、紹介され面接に行っても、採用側の年齢意図と異なれば全く相手にされず、無駄足となってしまうことも時々あるのです。年齢不問の求人ほど注意しなければなりません。職能と年齢は必ずしも比例するとは限りませんが、経験年数を要求される仕事は多いのです。単純作業にしても10年は同じ仕事を経験していないと一人前のプロではないと私は思っています。
 早くから一人前のプロになるには、幼い時から仕事に対する問題意識を持つことです。したがって、若い求職者には折に触れプロ野球の選手や大相撲を例に出して、経験の長さの必要性を知ってもらい、就職を目指すよう話をしています。こんな話をするのも高齢者の役割かもしれないのです。
 それでは、短期に転職を繰り返し、職の定まらなかった人はどのようにすればよいのでしょう。単純でも、できるだけ早く自分の体力に合う仕事を早く見出し取り組むことです。そうした仕事も長い経験がないと一人前とは認められないからです。自分が永年経験してきた仕事に就くことが最も良いのですが、軽作業で生きがいや、健康保持につながる仕事は、案外身近なところで見つかるものなのです。多くの人が仕事をしていない時間帯に働く事を視野に入れれば、高齢者の再就職も大幅に可能性が広がります。


志賀 孝一

志賀 孝一 (しが こういち) 満66歳
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
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