エイジング・プラン・ノート®の意義

2010-04-26 14:46:43

私がエイジング・プランについて真剣に考えたのは、54歳の時です。「人生の羅針盤づくり」のためにエイジング・プラン・ノート®に向き合いながら気付いたことが、3つありました。次の3点です。
1.ライフプラン策定には、明確な目標(ゴール)の設定が必要
2.エイジング・プラン・ノート®を書くことは、楽しい!
3.「充実した人生」と「生涯現役」とは同義
これらを、3回に分けてご紹介しましょう。かなり初歩的なことや個人的な内容にも触れますが、充実した人生を考える際のヒントの一助になれば幸いです。

1.「明確な目標」とは?

お恥ずかしいことに、私がエイジング・プラン・ノート®に向き合う前に立てていたライフプランは、とてもお粗末なものでした。それまでにも節目あるごとに考え、その都度「熟慮した」はずであったにもかかわらず、です。実効性がなく、これでは羅針盤とは言えない、ということを痛感するに至りました。
なぜ実効性がないライフプランであったのか?理由は単純です。到達目標地点、つまりゴールが余りにも漠然とし過ぎていたからでした。
ライフプランにおけるゴールとは、「死の瞬間」ということに他なりません。自分が死ぬ時を想像したくない気持ちが、無意識のうちに私をライフプランニングから遠ざけていたのでした。
実は、「いつ死ぬのか?」は「いつまで生きるのか?」ということです。このように発想を転換できるまでには、かなりの時間を要しました。「こんな簡単なことに気付かないなんて、私ってバカみたい!」と後から思ったのですが、客観的に言えば、このプロセスは極めて人間らしいものでもありました。
死を恐れることは、人間の本能でしょう。また、自分一人で考えていると袋小路に入り込みやすいものです。このような状況の時にエイジング・アドバイザー®がお役に立てるのですが、自分自身が自らにアドバイスをすることは至難の業です。
そこで、「人生を全うした」と言えるようなモデルケースを探してみました。思い当たったのが、103歳で亡くなった祖母です。「祖母の亡くなった年齢を超えて、105歳まで生きる」ということを仮の目標に定めてみたところ、迷路から抜け出ることができました。
人生の羅針盤づくりには、「いつ、どこで、どのように死ぬのか?」という目標設定が必要です。充実した人生であるために死を念頭に置くということは、真逆のことのようでありながら、実は最も有効な方法であると実感しています。


佐藤 祐子

佐藤 祐子 (さとう ゆうこ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
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